【剣街】剣の街の異邦人 レビュー・評価・感想

XBOX360専用ソフト、剣街こと剣の街の異邦人のレビュー・評価・感想まとめです。

kenmachi

作品概要

剣の街の異邦人は株式会社エクスペリエンス チームムラマサより開発されたダンジョンRPGです。
wizardryライクなダンジョンゲーで、キャラメイク、未鑑定アイテムを掘るハクスラ、死と隣り合わせの高難易度、ダークファンタジーな世界観とプレイヤーのツボを見事抑えている作品です。

同社の代表作として

等があり、当サイトでレビューしたものもございます。
私自身、チームラゲーのファンでして本作の発売を心待ちにしていました。

が、いざプレイをしてみると期待を裏切られたガッカリな出来にショックを受けてしまいます。期待が大きすぎたということもあるのですが、これまでの過去作品以上に手抜き・調整不足に感じる部分がありました。

高難易度と面倒・理不尽は違うということ

本作剣の街の異邦人は公式で高難易度を謳っているゲームです。古き良き時代を思い出しどんな難しさが待っているのだろうとプレイして感じたのは難易度が高いのではなく、理不尽さがプレイヤーを苦しめているというものでした。

重すぎる死・軽すぎる死

まず調整不足に感じたのが死亡と生命点損失によるロストというシステム。

各キャラクターごとに生命点というポイントが用意されており、一回死ぬごとに生命点が一つずつ減っていき0になったら完全消滅してしまうというのが剣の街の異邦人のシステムです。
死亡状態や失った生命点は【療養】をすることで回復することができるのですが、そこで取れる選択肢は

  • 大金を払って即時回復
  • ゲーム内時間はかかるが無料回復

という二択。
これがクセモノで、ゲーム序盤に死亡者が出てしまった場合は治療用の大金が用意できないため、時間をかけて治療することになります。
その間死亡者の代わりに別のキャラを入れて時間を潰すことになります。一回戦闘をするごとに時間が進み拠点に戻っては残り療養日数を確認、また拠点に戻っては確認…
そして気が付くとサブメンバーのキャラのレベルが療養中のキャラを越えている!
そう、この療養に要する期間がとにかく長すぎるのです。

剣の街の異邦人では待機中のサブメンバーにも経験値が入りますし、新たに作成したキャラにも主人公のレベルに応じて経験値が入ります。そのためサブメンバーの用意は非常に楽なのですが、療養中のキャラには経験値は一切入りません。そのため一回の死亡が2軍落ちという結果に繋がってしまうことにイライラ。
苦労してボスを倒したとしてもメンバーに死亡者がいると待っているのは達成感より疲弊感が勝ってしまいます。

一転ゲームが終盤になってくるとランダムアイテム習得ポイントからそこそこの数の蘇生用アイテムが手に入っているため死がとてつもなく軽い要素に。お金もあまり余ってくるため蘇生費用の捻出も簡単です。
このゲームはXTH時代にあったお金を経験値に変えるようなシステムがありません。商店の品物の在庫も復活しないため、お金の使い道が蘇生しかないのです。

どうにもチグハグなバランスというのが正直な感想でした。

敵の特殊行動に対する対策

剣の街の異邦人には、シリーズの悪しき風習として対処方法が限られている敵の特殊攻撃というものが存在します。

  • パーティーメンバーを数ターン離脱させる連れ去り
  • 前衛後衛をバラバラにする隊列崩し
  • 所謂『くびをはねられた』な即死攻撃

などこれまでのシリーズにあったものがひと通り揃っていますが、その対策方法としては

  • 前者二つはアイテム
  • 後者は『精霊の壁』という名のスキル

でしか対処することが出来ません。そしてその二つどちらにもある致命的な欠陥が。

連れ去り攻撃はフェイクドールと呼ばれるアイテムを所持していることで、アイテムが身代わりになる変わりに防ぐことが出来ます。
隊列崩しは笛玉と呼ばれるアイテムを使用することで直すことが出来ますし、予め使っておけば一回のみ隊列崩しを防ぐことが可能です。
そしてこの二つのアイテムは99個という限られた数しか購入することが出来ません
99個という数字は一見多いように見えますが、このゲームでは雑魚敵もこれらの攻撃を使用するためあっという間に無くなってしまいます。その上これらのアイテムが有るのと無いのとではゲーム難易度が大きく変わってしまうほどの重要アイテム。もし尽きてしまったら何度もマップを往復しランダム生成されるアイテムをひたすら回収するしかありません。

元々批判の多い連れ去りと隊列崩しでしたが、フェイクドールは無制限販売、隊列崩しは『ホイッスル』という魔法で対策可能ということもあり受け入れられてきました。まさかここまで改悪されるとは!これで高難易度を謳っているのであれば何と馬鹿馬鹿しいことか。これは高難易度ではなく理不尽なだけ。

そして後者の即死攻撃。wizardryならよくあることですしこれもまた伝統的なものではありますが、死亡の回復手段が限られているうえ、コストが重い序盤から多用されるのはやはり問題。
精霊の壁というスキルがあれば対処できるのですが、このスキルは他のスキルとの選択制であり、プレイヤーによっては習得しないまま先へ進んでしまうことも。ラスボスも全体即死攻撃を使用するため、このスキルが無ければ非常に運が絡む戦いになってしまいます。
こちらに関しても必須レベルで使うこの精霊の壁は強制習得させるべきだと思いますし、またはもっと詳しく説明するべきなのではと感じました。

作業感漂うラストダンジョン

剣の街の異邦人のラストダンジョンの攻略方法として

  1. ダンジョン内にある3つの塔を踏破し屋上のスイッチを押す
  2. ラスボスの元へ進めるゲートが開く
  3. ラスボスとの二連戦

という手順を踏むことになるのですが、問題はこの屋上のスイッチにあります。なんとダンジョンを出ると仕掛けがリセットされてしまうのです。そのためスイッチを動かしそのままノーセーブでラスボスに挑むことになるのですが、ラスボスも本編シナリオ最後の敵だけあって非常に強力。初見では対処できない全体即死攻撃等も使用するため一回目で撃破するにはよほどの装備とレベル、そして運が絡みます。
もし失敗すればダンジョン入口からやり直し。これも製作者が考える高難易度の一つなのでしょうか?

この仕掛けがリセットされるという仕様はただただトライアンドエラーが制限されるものであり、面白くなっているとは思えませんでした。

新規タイトルの皮を被った完全続編

あくまでも新規タイトルを謳っている剣の街の異邦人ですが、ストーリーを進めるとこれが真っ赤なウソで完全に円卓の生徒の続編であることが分かります。
過去作の登場人物やらが密接に関わってくるため、未プレイの方はまず間違いなく置いて行かれることでしょう。

本作自体のストーリーも薄めで登場人物の行動理由がはっきりしないところもあり、あまり面白いものでは無かったため、逆に言えば気にする必要は無いとも言えますが…。

あちこちのダンジョンに居る純血種と呼ばれるボスを倒すことで手に入るアイテムを納品することでストーリーが進行していくという流れのため、どうにもお使い感が強いのが非常に残念。

ストーリー性が薄い分探索は楽しい

いろいろなダンジョンに純血種を狩りに行くというのが剣の街の異邦人全体の流れであるため、ダンジョン攻略はとても面白く感じました。一度に複数のダンジョンがアンロックされ、ダンジョンごとに入手可能な装備の傾向も違うことから攻略手順の自由度は高いです。

ダンジョンには厄介な仕掛けも多いですが、周りの景色で判別出来る回転床など、そこまで理不尽なものは多くない印象を受けました。ギミックが似たようなものばかりで攻略自体は作業感溢れるもののマップを踏破していくだけで楽しいのはやはりWizLike。

純血種と戦うためにダンジョン内のイベントをこなしたり、ダンジョンと拠点を繋ぐショートカットである魔石を探したり、はたまたアイテム収集に精を出したりと、本編以外のハクスラ要素の面白は流石といったところ。

戦闘は超高速スキップが出来るため弱い敵がいるダンジョンでの戦闘は苦になりませんし、すでに踏破した地形ならマップ画面からオートパイロット機能を使うことも出来ます。

特殊地形で止まるオートパイロット

高速移動が出来るため便利なオートパイロット機能なのですが、回転床や移動床と接触した時点で勝手にキャンセルされてしまいます。
フロアを越えてのオートパイロットも出来ないため、階段を昇り降りして進むダンジョンなど、せっかくの機能を使えないダンジョンが多いことが気になりました。

せめてボタンの組み合わせなどで通常移動もオートパイロット並に高速で動ければ良かったのですが…

無駄なウェイトの数々

剣の街の異邦人では高速戦闘やオートパイロットというストレスを軽減する仕様がある中で、

  • 調査の際にかかる時間
  • 敵待ち伏せの際に待つ時間

等の必要のないウェイトが多いのが非常に気になります。どちらもゲームをプレイするうえで何度も行う行動であるため結構なストレスに。

他にも戦闘終了時のリザルト画面など妙なところ、それでいて頻繁に目にする画面に無駄なウェイトがかかることがせっかくのゲームのテンポを損ねています。

変化のない戦闘システム

やはり今回も今までと同じ使い古しの戦闘システムでした。
敵の攻撃パターン、味方の使用スキルもこれまでの過去作品と変わらないのはいい加減にどうにかして欲しい。

命中回避依存のバランスに至ってはより酷いものになっており、バフデバフ無しではろくに攻撃が通らない相手ばかり。
バフで強化する前に初手でナイトが落とされるとそのままパーティーが壊滅する運任せも健在で数年経つのにまるで進歩していない現状にガッカリ。
デモンゲイズで多少なりとは言え変化を加えていただけに余計に残念でした。

悪い点ばかりだけではなくこれまたシリーズの悪しき風習である自動ヒーリング多用ボスが減ったのは素直に評価したいところです。

剣の街の異邦人はキャラメイク方式

剣の街の異邦人の仲間キャラクターはキャラメイク方式。

周回ごとに5回という制限はあるものの、転職によりスキルのカスタマイズ性が大きく向上しました。レベルは下がるもののメリットが多いのは嬉しい仕様。命中が下がってしまうため気軽に…とはいけませんが転職しても戦力が下がらないのは良バランスです

ポートレートパターンが異様に少ない

キャラメイクがウリのゲームであるのに選ぶことが出来るポートレートパターンが非常に少ないのは何故なのか。
またどのポートレートも職のイメージが非常に強いため、転職システムと噛み合っていないようにも思えます。どの職を選んでも違和感の無い、オーソドックスなグラフィックが欲しいところです。

ドワーフに至っては男性グラフィックしか無い上に種類も非常に少ないとデモンゲイズ同様に不遇。

ロールプレイの幅を狭める生命点システム

キャラクターの年齢によって生命点の最大値が変化するシステムのため、老齢キャラを作りにくい傾向にあります。
老齢キャラは初期ボーナスポイントが高い代わりに最大生命点が1ポイント。一回死んだらロストしてしまうというハードモード。

作成するキャラクターのイメージがあると思いますし、年齢やらのプロフィールはシステムに影響しない作りの方が理想でした。

総評

これまで培ったノウハウはどこへやら。手抜き感漂う理不尽なゲーム、剣の街の異邦人にはそんな印象を抱きました。
過去作から代わり映えしないシステムを更に不便に改悪しているのには頭痛がしてきます。
いい加減システムを一新しないとせっかくのファンも離れていってしまうのではないでしょうか?

所謂信者としてこのメーカー様の作品を購入してきましたが、Vita版の剣の街の異邦人購入は見送りたいと思いますし、そう思いたくなるような出来で非常に残念。

発売前は高難易度を謳っていただけに非常に期待をしていたのですが、その期待が大きすぎたということも不満の理由の一つに入るのかもしれません。実際は高難易度ではなく理不尽になっているだけでした。

剣の街の異邦人はシリーズファンほどガッカリする作品なのかもしれません。

剣の街の異邦人はこんな人にオススメ!

  • Wizardryライクなゲームで遊びたい。
  • キャラメイク方式のゲームが好きだ。
  • ダークファンタジーな世界観が好きだ。

剣の街の異邦人はこんな人には向かないかも…

  • ゲームでストレスを溜めたくない。
  • 円卓の生徒は未プレイだ。
  • 同社の過去作品が肌に合わなかった。
  • ゲームはストーリーを重視する。
剣の街の異邦人 ~白の王宮~ (初回限定版) (『剣の街の異邦人』2枚組 オリジナルサウンドトラック 同梱)

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