TOKYO JUNGLE(トーキョー・ジャングル) レビュー・評価・感想
PS3専用ソフト、TOKYO JUNGLE(トーキョー・ジャングル)のレビュー・評価・感想まとめです。
目次
作品概要
TOKYOJUNGLE(トーキョー・ジャングル)はクリスピーズというインディーズ会社開発、ソニーより発売されたサバイバルアクションゲームです。
舞台は人類が居なくなった東京の街。
ゲーム開始時に一匹の動物を選び、東京の街で生き延びるのがゲームの目的です。
ジャングルになった東京には危険が沢山。
- 狩りを行って飢えを凌ぐ
- 危険な肉食動物や環境汚染によるスモッグから身を隠す
- 年老いる前に子孫を残す
などなど、出来ること全てを行わなければ生き残る事はできません。
ゲームモードは2種類
TOKYOJUNGLEのゲームモードは大きく分けると
- サバイバルモード
- ストーリーモード
の2種類。
サバイバルモードは、選択した動物を使って可能な限り長く生き抜くことを目的としたゲームモードです。
年月が経過する毎に発生するランダムミッションをこなしつつ、世代交代を繰り返してサバイバル生活を行います。死んでしまったらその時点で終了、コンティニューをすることは出来ません。ゲームオーバー時にはそれまでの行動によってポイントを獲得、このポイントは全国ランキングやショップでの買い物、新しい動物のアンロックに使われます。
サバイバルモードのもう一つの目的としては各地に点在するアーカイブ集めが挙げられます。
飼育員の手記、新聞の記事などがマップに点在しており、これを読み進めていくことで東京が何故このような街になってしまったかというバックボーンが明らかになっていきます。
また、このアーカイブを3つ集めるごとにストーリーモードで遊べるシナリオが1つずつアンロックされていきますので、エンディングを見るためにも収集は必須となっています。
ストーリーモードは、アーカイブ収集によってアンロックされるオムニバス形式の短編集です。東京で生活する動物の物語を追うとともに、人類消滅の理由を知ることが出来ます。
いわゆるラスボス、エンディングも用意されていますが、最終シナリオを遊ぶためには全てのアーカイブを集めなければならないため、サバイバルモードとの並行プレイは必須。各シナリオをクリアすることで新しいアーカイブをサバイバルモードで入手することが出来るようになります。
人を選ぶゲームシステム
先述したサバイバルモードがTOKYOJUNGLEのメインモードとなるわけですがかなり人を選びます。
理由として挙げられるのは
- 明確な目的が無い
- 死んだら即終了
この2点でしょうか。
明確な目的が無い
いきなり東京の街に放り出されてのサバイバル。世界を救うだの魔王を倒すだのといった目的は一切ありません。やるべきことはただひとつ、生き残るのみ。
用意された道筋が一切無いため、プレイヤーによってはこの時点で受け付けない方もいると思います。
全く目的が無いわけではなく
- 新しい動物がアンロックされるチャレンジのクリア
- 動物ごと用意されたアイテムがアンロックされるチャレンジのクリア
- ストーリーアンロックのためのアーカイブ集め
などが用意されてはいるのですが、そこに至るまでのチュートリアルが無いため、そこまで辿り着く前にリタイアしてしまう方もいるでしょう。(基本操作に関するチュートリアルは用意されています。)
これらの収集・アンロック要素はどうしてもプレイが作業のようになりがちで飽きが来てしまうことも。
また、ゲーム序盤は約10年ごとに発生するチャレンジクリアを目指してプレイすることになりますが、60~70年以降に至ってはチャレンジ発生すらもなくなるため、ただ生き残りを目指すだけとなってしまうのが残念でした。
もしプレイ目的を見いだせない方は、トロフィーとして100年間生存が条件のものがあるのでこれを目標にゲームプレイをすると良いでしょう。
死んだら即終了
死んでしまったらゲームオーバー、コンティニューすることも出来ませんし、それまでのセーブデータをロードすることも不可能です。また1からの再スタートとなるため心が折れてしまうプレイヤーも多いでしょう。
とは言え実は0からのスタートではありません。世代交代の際に引き継がれたステータスは新規プレイ時にも加算されています。そのためプレイを繰り返しているうちに徐々に基礎ステータスが高くなっていきプレイが楽になっていくというシステムになっています。
装備品も引き継がれ、一度でも入手した装備品に関してはタイトル画面から行くことが出来るショップで購入することも出来ます。
なにより一番引き継がれるものはプレイヤーとしての経験でしょう。ちょっとのミスが死に繋がりますが、知識によって対処できるパターンもあるため、プレイヤー自身が積んだ経験が次のプレイに活かされます。
以上の要素から、人を選ぶもののハマる人はとことんハマる、噛めば噛むほど味の出るスルメのようなゲーム性がウリです。
ローグライクゲーム好きなら間違いなく楽しくプレイできることでしょう。
行動よりも思考が大事
アクションゲームではあるものの、重要なのは操作の上手さではなく、よく考えて行動する力。
- 発生予定のチャレンジ
- エサの残量
- 発生したイベント
- 自身のステータス
- 所持アイテム
- 世代交代のタイミング
これらを常に頭に入れてサバイバルを行うのが非常に楽しい。
逆にこれらの判断を間違えるとすぐ死につながるゲームバランス、高難易度と言えなくもないですがミスのうち80%は判断ミス。ゲームプレイを重ねるごとにそういったミスが少なくなりスコアが伸びていくのが面白い、昔のアーケードゲームのような面白さがあります。
これらの要素をしっかりと考えながら行動しなければいけませんが、時間は常に経過しているためゆっくりとはしていられません。落ち着いて、かつ迅速に行動するのはまさにサバイバル。
プレイを始めたばかりの頃、我がポメラニアンは飢えからクロコダイルに襲いかかり見事返り討ちにされてしまいました。
マルチプレイが楽しいがオフラインプレイのみ
TOKYOJUNGLEはマルチプレイにも対応しており、それぞれが別の動物を選んで遊ぶことも可能です。
一人プレイでは楽しむことが出来ない肉食動物・草食動物の協力プレイがなかなか面白い。お互いエサを取り合わないため、まさに共存している感が出ています。時には足が遅い方のプレイヤーを囮に生き延びたりなど、ワイワイ遊ぶことが出来ました。
逆に肉食動物同士、草食動物同士だとエサの供給が足りなくなりまさにサバイバル。プレイ難易度はあがりますがこちらもこちらで盛り上がること間違いなし。
強いて難を上げるとすればこの協力プレイ、オフライン環境でないと遊べないことでしょうか。今は主流となったオンラインマルチプレイには対応していないため、TOKYOJUNGLE所持者の家に集まってプレイしなければいけません。
開発が小さい会社とはいえ少し残念。
ローグライクよりは飽きが早いか
繰り返し遊ぶことが出来るゲームデザインがされていますが、
- マップが狭い
- アクションの少なさ
という理由でどうしても早くに飽きが来てしまう可能性が高いです。
舞台は東京ですが、マップ自体は非常に狭く、エサを求めて繰り返し行き来するゲーム仕様上、同じ場所に何度も赴くことになるため新しい発見というものがありません。荒廃した東京というマップの世界観・雰囲気は非常に良いため勿体無いように感じました。マップのカメラ位置が固定というのもアクションゲームとしてはマイナスです。
また動物の種類は豊富なものの、ステータス以外の差があまりないのも残念です。夜目、突進など独特の要素を持つ動物も中にはいるものの、基本的には
- 肉食獣
- 草食獣
の2パターンのみ。動物固有のシステムというものは存在しません。
個人的に気になったがマップの狭さよりもその構成。チャレンジによって東京内を移動するわけですが、マップの繋がりが一本道のため文字通り右往左往。
小型動物だけが通ることの出来る抜け道や、大型動物のみ越えることが出来る障害物などでマップ構成に多様性を持たせて欲しかったです。
総評
何度も言いますが、このTOKYO JUNGLEかなり人を選びます。
何十時間も黙々と遊ぶことが出来る人も居れば、開始30分で投げ出したくなる方もいるでしょう。現に私はかなりのめり込んだものの、友人はチュートリアルで挫折。
熱中度が高く面白い要素も多いものの、やはりインディーズ会社としての限界か荒削りな部分が多少気になりました。
ポメラニアンが使われているパッケージを見ると一見バカゲーのように見えますが、そのゲーム性はかなりストイックなもの。サバイバルアクションを謳っていますが、その実はじっくりと頭の中でプランを立てて、一手一手慎重に行動するシミュレーション。生態系が変わり凶暴な猛獣で溢れてくる50年以降は特に集中してプレイしています。
購入前にはPVやプレイ動画などでゲームの雰囲気を掴んでおくことをおすすめします。2014年2月現在、PlayStationPlusのフリープレイ対象にTOKYO JUNGLEが選ばれました。PS+会員の方は無料で遊ぶことが出来ますので、この機会に一度遊んでみてはどうでしょうか。