The Last of Us レビュー|血の繋がりがない親子愛を描いたストーリー

PS3専用ゲーム、The Last of Usのゲームレビューです。

どんなゲームなの?

The Last of Usは、アンチャーテッド等の作品でお馴染みのノーティドッグ開発のサバイバルホラーアクションアドベンチャーゲームです。
TLoU、またはラスアスなどの略称が使われていて、日本では特に後者が使われています。

脳に寄生し宿主を凶暴化させるウイルスが蔓延ったアメリカを舞台に、主人公ジョエルの命懸けの旅が始まります。
アメリカの街はパンデミックが起きて壊滅してしまったため、銃弾等の資源が限られています。
そのため基本的には感染者たちとの戦闘を回避しながら進行するステルスアクションとしての比重が非常に高いゲームです。

限りある資源

厄介な感染者相手に立ち向かうための武器。
これらの武器に使用する弾は有限なため無駄遣い出来ません。
更に沢山の弾を所持することが出来ない為、常にカツカツの状態。

銃弾以外にも戦闘に使用可能な道具は存在します。
ナイフや火炎瓶、救急キットといったアイテムを、ハサミや布、アルコールといった資源で作成することが出来るのですが、もちろんこれらの資源も有限です。
自身の体力を回復することの出来る救急キットと、一定範囲に大ダメージを与える強力な道具である火炎瓶は、なんとどちらも必要な材料が同じです。

常につきまとう資源不足からの緊張感のおかげで、最後までサバイバル感を楽しむことが出来ます。
反面、資源の無駄遣いを防ぐ為、終始隠れながらの進行になってしまうという弊害が。

舞台は変わっても、隠れながら奥へ進むというゲーム内容には変化がありませんので、途中でだれてしまう方は少なからずいると思います。
何週もプレイするような作品ではなくリプレイ性は高くありません。

美しく描かれている廃墟

パンデミック後、放棄または感染者などの手によって壊滅させられたアメリカの街並みがPS3の性能をフルに使って美しく描かれています。
人の手が入らなくなったことにより、森林の様になった街並みは幻想的でいてリアリティも感じさせる独特の雰囲気を感じさせます。
廃墟探索にノスタルジーを感じる方々にはとにかく一度プレイしてみて欲しいです。

映像面に関してはPS3作品の中でもトップレベル。
それでいてロード時間も短いのは見事です。

生き生きとしたキャラクター

美しく描かれるのは背景だけではありません。
キャラクター達、特に表情の表現はかなりのクオリティで喜怒哀楽の表現はまさに人が演技しているかのよう。
メインキャラクター達ももちろんですが、注目すべきは背景のモブたち。
隔離地域での息の詰まるような生活観が背景とともに表現されています。

日本語吹き替えのため、字幕を追うことなくストーリーを楽しめるのもGOOD。
吹き替えは山寺宏一氏などのベテランが担当しているため、演技力にも問題ございません。

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血の繋がりが無い親子愛

主人公ジョエルは、ある出来事をきっかけに14歳の少女エリーと共にアメリカを旅することになります。
初めのうちはぎくしゃくした仲だったものの、色々な人との出会いや別れが二人の心情に変化を与えます。
話が読めてしまう王道な展開ではありますが、それが逆に面白い。

物語は一本道でストーリー分岐やマルチエンディングは一切ありません。
そのエンディングは物語の主軸をどう捉えるかで賛否が分かれます。

The Last of Usにおけるストーリーの主軸は『パンデミックの原因を突き止め世界を救う話』というものではなく、『本当の娘を失った男と、家族愛を知らない少女の二人に芽生える、血の繋がりが無い親子愛』だと考えております。
考えさせられるエンディングではありますが、きっとジョエルとエリーの二人にとっては間違いなくハッピーエンドでしょう。

ホラー作品としてのthe last of us

いわゆるゾンビ物に分類される本作品をホラー作品として見るとどのような評価になるのでしょうか。

日本のホラー物のように、後に引く怖さ、じわじわ来る怖さというものはありません。
その代わりに瞬間的に驚く場面は数多く用意されていました。
ビクッとはするものの後には残らないため、夜に恐怖でトイレに行くことが出来ないということは無いでしょう。
一人暮らしでも安心です。

感染者よりも恐ろしい人間達

意識無く襲ってくる感染者たちよりも、自らの意志で襲いかかってくる人間達に恐怖を感じました。

パンデミックにより無法状態になったアメリカでは、頼みの綱の配給も滞っており常に食糧難の状態。
そんな中生きる為とはいえ、人を襲って生計を立てているハンターと呼ばれる人たちが登場します。

自分たちの縄張りに罠を張り侵入者を狩る訳なのですが、その描写がとにかく残酷。
身ぐるみを剥ぐだけでなく、感染の疑いのある人たちを生きたまま焼き殺したり、人間を食肉として解体したりととにかく野蛮です。
直接的な描写は少ないものの、耐性が無い方にとってはきついかもしれません。

とはいえ彼らも生きるためにこのようなことをしているのであって、それが間違っていることなのかどうかは誰にも分かりません。
彼らにも家族がいるでしょうし、法も秩序もない世界ではまさに弱肉強食、他に手段はない事でしょう。
それを分かったうえでプレイヤーは、ジョエルは彼らを倒さなければなりません。
これらの葛藤もこのゲームが持つ味でしょう。

総評

ムービーが多い一本道ストーリー作品はムービーゲー、映画ゲーなどと揶揄されますが、この作品は良い意味で映画らしいゲームと言えるでしょう。
ムービー中のQTEを一切排除し観ることに専念させるのは、昨今では割と珍しいのでは無いでしょうか。
プレイヤーが操作し導くことで、映画では味わうことが出来ない深い感情移入が出来るのはゲームならでは。
なかなかの高難易度のため、達成感も味わうことが出来ます。
このようにthe last of usはムービーゲーの一つの完成系と言えるでしょう。

人対人の争いが描かれる中盤は確かにだれるかもしれません。
しかしその中盤あってのThe Last of Usです。
その中盤あってのエンディングです。

途中までプレイされた方には最後まで頑張って是非あなた自身の手で、ジョエルとエリーを導いてあげてください。

The Last of Us (ラスト・オブ・アス)

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