世界樹の迷宮 レビュー|ポップな見た目とは裏腹、昔ながらの高難度ゲー

公開日: : 最終更新日:2014/01/17 RPG , ,

DS専用ゲーム、世界樹の迷宮のゲームレビューです。


どんなゲームなの?

ATLUSから発売の、『SQ』、『セカキュー』等の略称で呼ばれてるこの世界樹の迷宮というゲームはwizardryに代表される昔ながらのダンジョンRPGです。

プレイヤーが操作することになる冒険者をキャラメイク、すなわちゲームのキャラクターを自分で作成し5人のパーティーを組んで何層にも及ぶ巨大な迷宮を攻略していきます。
過去に同じキャラメイク型のゲームであるデモンゲイズを紹介しておりますが、初心者向けの作品であったあちらと比べ、この世界樹の迷宮は高難易度に設定されています。

多岐にわたるキャラメイク

キャラクターメイキングでは名前、職業、グラフィックが設定可能です。
またキャラクターとは別にギルド名としてパーティーに名前を付けることが出来ます。

選ぶことが出来る職業は、

  • ソードマン
  • パラディン
  • レンジャー
  • ダークハンター
  • アルケミスト
  • メディック
  • バード

の七種類。
そして一定の条件を満たすことで、

  • ブシドー
  • カースメーカー

の二種類が追加されます。

職業ごとに装備可能な武器の他、スキルというものが用意されており、レベル上昇ごとに手に入るスキルポイントを使い自由に習得することが出来ます。
スキルはツリー状の構成になっており、強力なスキルを習得するためには下位スキルが必須です。
また、スキルポイントは有限ですので全てのスキルを習得することは不可能になっています。

そのため同じ職業でも習得スキルや習得順番によって、全く異なるタイプのキャラクターを育てることが可能です。
パーティー構成によって強いシナジーを得る事が出来るスキルもありますので、キャラメイクの幅はとにかく広い!

キャラクターグラフィックは各職業ごとに男性2種類、女性2種類から選ぶことになります。
グラフィック無しにすることは出来ませんのでご注意を。

音楽までもが懐かしい

昔ながらなのはゲームシステムだけではありません。
ゲーム中に流れるBGMもFM音源からサンプリングした音色が使われているという拘り様。
とは言っても古臭さというものは感じられないのはさすが古代祐三氏。

オリジナルサウンドトラックはDS音源版のものに加え、FM音源版のものも収録されているという豪華2枚組セットです。
聞き比べてノスタルジーに浸るのも良し。

システム面もオールドゲームライク

BGMやらに加えシステム面まで昔のゲーム風にまとめられています。
オールドゲームライクと言えば聞こえはいいものの、様はシステム周りが微妙に不便な設計になっているというです。

アイテム上限が限られているにも関わらず、捨てることのできないキーアイテムがアイテム欄を圧迫したり、L,Rボタンを使ったカニ歩きが出来なかったり、装備品購入の際に現在装備しているものとの比較が出来なかったり等々、色々気になる部分があります。
ゲームの難易度と不便さを混合してしまっているような印象を受けました。
全アイテムを手持ちに残しておくプレイは仕様上できないようになっているので、アイテムコレクターの方はご用心。
どれも次回作以降では改善されてはいるのは救いです。

Wizardryとどこが違う?

さて、世界樹の迷宮は良くwizardryと比較されます。
確かにどちらもダンジョンRPGですので、ジャンルとしては同じものではあるのですが、そのゲーム性は全くと言って良いほど別物です。

パーティー人数が違う

世界樹の迷宮は5人パーティーであることに対してwizardryでは6人パーティー。
すなわち一人少ない人数で設定されています。

装備武器や習得魔法辺りでしか差別化されていなかった職業もスキル制になったことで幅が広がりました。
宝箱のカギ開け、アイテムの鑑定といった要素が世界樹の迷宮にはないので、『盗賊』、『司祭』といったパーティーに必須である職業も存在しません。

そのためパーティー上限人数は減っているものの、その組み合わせは多種多様に。

アイテム周りのシステムが違う

世界樹の迷宮では、敵を倒すことで爪や革などの素材アイテムを入手することが出来ます。
それらの素材を店に売却することで、新たな商品が店頭に並び、それを購入して装備を強化するというのが一連の流れです。
敵に対してドロップする素材アイテムが固定されているため、ダンジョンより先行して強い装備を手に入れることは出来ない造りとなっています。

敵が装備などの現物をドロップしないため、残念ながらwizardryのようなハック&スラッシュを楽しむことは出来ません。
しかし世界樹には条件付きドロップアイテムというものが存在します。
特定の敵を特定の方法で倒すことで手に入るアイテムで、強力な武具などの販売条件として必須になりますので、アイテム収集の楽しさは健在です。
手に入れた素材は記録されますのでコンプリートを目指すプレイも勿論可能!

マッピングが違う

世界樹の迷宮で冒険することになるダンジョン内には、オートマッピングが主流になってきた今とても珍しい事に地図がありません。
では当時のwizardryのように方眼紙でマップを手作りしなければいけないのか、と言われればそういう訳でもありません。
なんとゲーム内に自作マップを作成する機能が用意されています。

DSの下画面がマップ画面となっており、タッチペンを使って床、壁を塗りつぶしていきながらダンジョンマップを作成していきます。
また地図上にはアイコンやコメントをも残すことが出来ますので、自分なりにオリジナルの地図を製作することが出来る訳です。

世界樹の迷宮というゲームを印象付けるこのマッピング機能、しかし私はこの機能は蛇足だと感じております。
その一番の理由は自分がいる座標にアイコンが常に表示されているせいでしょう。

ワープ床や回転床を踏んでしまったことに気付かずにマッピングを続け、おかしな地図が出来てしまうといった、この手のゲームにありがちなミスはまず起こりません。
ワープ床を踏んで自分の居場所が知らないうちに変わったとしても、下画面のマップを見ればすぐに気づくことが出来ます。
つまり世界樹のマッピングは今や主流のオートマッピングを手動でなぞるだけの作業感の強いシステムでしか無いのです。
とは言っても間違えて道を壁で塗りつぶしてしまったがために迷ってしまうといった世界樹ならではのミスもあるにはあるのですが…

また地図を描く際のレスポンスの悪さも気になります。
壁を描く際に謎の引っ掛かりがありスラスラと書くことが出来ないようになっています。
嬉しいことに次回作以降では改善されているものではあるのですが…

ただコメント機能は素晴らしい。
地図上に書いたコメントは3Dマップ上にも表示されるようになるため、良い目印にすることも出来ますし、アイテムの買い忘れを防ぐことも出来ます。
店に売っている拠点帰還アイテムを買い忘れるとその先に待っているのはゲームオーバーですので、警告としてダンジョン入口にメモを残しておきましょう。
案外うっかりが防げますよ。

ダンジョンRPGでは軽視されがちなストーリー

ゲーム上の目的が最初から変わることが少ないダンジョンRPGではどうしてもストーリーがあっさりしたものとなってしまいます。
勿論この世界樹の迷宮もどの例に漏れず、メインストーリー自体は淡々と進行していきます。

ダンジョン内のメッセージもゲームブック風なシステムメッセージが主となっており、キャラクター間の会話などはありません。
自分が作ったキャラクターの印象が崩れる心配はないため、キャラメイクゲームに慣れている方は安心できますが、そのようなゲームをあまりプレイしたことが無い方にとっては、物足りない部分ではあるかもしれません。

だが伏線はお見事

とは言え作中に散りばめられた世界観に関する伏線、そしてそれが一気に回収されるある場面はお見事。
ダンジョンRPGでネタバレなんて…と思われる方もいるとは思いますが、くれぐれもお気を付け下さい。
世界樹の迷宮はシリーズ作品としていくつかの続編が存在しますが、世界観面では本作が一番面白かったです。

ポップな見た目とは裏腹にガチな難易度

パッケージイラスト等からはそうは見えませんが、難易度は初心者お断りな高難易度。
特にスキルが揃ってないゲーム序盤が一番難しいバランスで設計されています。

厄介な状態異常

高難易度の理由の一つに強力な状態異常が挙げられます。
ゲーム序盤に雑魚敵から受けてしまった毒で全滅したプレイヤーは多いはず。
戦闘後も当たり前のように毒によるスリップダメージを受け続けることになりますし、HPが1残るといった甘い事もありません。

効果が高いバフスキル

味方全体の防御力を上昇、等といったパーティー対象の強化スキルがとにかく優秀です。
ゲーム後半の難易度は、強化されていること前提の難易度ではないのかと勘繰るほど。
ということは、逆を返せば強化スキルを持っていないと、とにかく戦闘がキツイということ。
本作品の序盤が辛い理由として、このような効果が高いスキルが揃っていないことが挙げられます。

キツすぎるレベル補正

本作品では自分がいる階層×3のレベルがあると安全といった目安があります。
その理由がこのレベル補正です。
出現する敵に設定されている内部レベルとこちらのレベルの差が、広がれば広がるほど与えることが出来るダメージは少なく、受けるダメージは多くなってしまいます。
そのために各階層ごとにレベル上げが必須となる上に、低レベルクリアのハードルが高くなっています。

その分レベルが1上がるだけでだいぶ楽にはなるものの、バランス調整としては首を捻らざるを得ません。
やはり不評だったのか次回作からはこのレベル補正は外されました。

F.O.Eの存在

世界樹の迷宮には通常のランダムエンカウントの他に、『フィールドオンエネミー』、通称FOEという敵が存在します。
その名前の通りマップ上で視認可能で、そのFOEごとに様々な動きでマップを移動しているのが特徴です。
この敵シンボルとぶつかることで戦闘になるのですが、通常出現する敵よりも一回り二回りも強い能力を持っていますので、攻撃方法等が分からない初見はとにかく危険な敵です。

ゲーム上どうしても戦わなければならないということは無く、回避ルートが存在していることも重要です。
安全に探索するためには、上手いことこのFOEを掻い潜る必要が出て来ます。
システムメッセージでも出てくるように逃げることは恥ではありません。

そしてこのFOE、こちらが雑魚と戦っている合間もターンごとに移動をします。
雑魚戦、または別のFOE戦に新たなFOEが増援してくることになりますので、細心の注意が必要になります。

このように厄介なFOEですが、倒すことで大量の経験値、そして素材アイテムをドロップします。
FOEから入手できる素材は強力な装備の材料となりますので、パーティーの状態に合わせて攻略していきましょう。

バグの存在

このゲームにはバグによって効果を発揮しないスキルが存在します。
スキルの説明だけを見てこれらのスキルを習得してしまうとスキルポイントや消費TP、使用にかかったターン全てが無駄になってしまいます。
しかも効果があるのか無いのかが検証しないと分かりにくいスキルのため気付くのも難しいという悪循環。

プレイ前に必ずバグについての詳細を調べておきましょう。

総評

昨今のRPGのアンチテーゼとして誕生したこの世界樹の迷宮。
このゲームで久々にゲームオーバー画面というものを体験した方も多いのではないのでしょうか。
拠点がある街へと帰る手段が簡単に用意できるせいで、あそこで引き返しておけば…と悔しい思いをすることも。
ゲームオーバーの主な要因は無茶をしてしまうことです。
理不尽に高難易度でなく、バランスも良いレベルでまとまっているのはGOOD。

本作は後に続くシリーズの1作目ですので、システム面等にまだ不便な部分が残っています。
この記事を書いている2013年6月21日現在、最新作である世界樹の迷宮4をプレイ後に本作を触ると、ストレスを感じてしまうかもしれません。
もし全作プレイ予定の方は必ず本作からプレイすることをお勧めします。

2013年6月27日に本シリーズの新作である、『新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女』が発売されます。
新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女
この初代世界樹の迷宮を元に固定主人公、キャラクター、新システムを搭載したリメイク作品です。

固定キャラクターっていうのはどうも…という人もご安心!!
従来通りのキャラメイク可能なモードも搭載されており、まさに『』の冠にふさわしい作品のようですね。
今から初代をプレイするのは少し辛い…という方はこの作品から入るのも良いと思います。

世界樹の迷宮 アトラス・ベストコレクション

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