ジョジョの奇妙な冒険 ASB レビュー|こいつはくせえッー!課金ゲーのにおいがプンプンするぜッーーーーッ
PS3専用ソフト、ジョジョの奇妙な冒険 ASBのゲームレビューです。
目次
作品概要
ジョジョの奇妙な冒険 ASBとは、に発売された対戦格闘ゲームです。
原作はお馴染みのジャンプ漫画、ジョジョの奇妙な冒険。原作品に登場した人気キャラクター達が部の垣根を越え出場、タイトル通りのオールスターなお祭りゲー、の筈でした。
蓋を開けてみれば対戦ゲームを期待して購入した人も原作品のファンもガッカリする残念な作品だったのです。ファミ通クロスレビューでオール満点を獲った作品ですが、改めてファミ通の得点はお金で買えるんだなぁということを実感。
オールスターと言う言葉に疑問が残る参戦キャラクター
対戦に使用可能なプレイアブルキャラクター達。情報が小出しにされていく中、当初は参戦キャラクターに対して文句を挙げる人はほとんどいませんでした。動画付きで対戦シーンが公開され、原作通りの演出・セリフに感動したものです。それが何故今になって問題視されているのか。それには以下の理由が挙げられます。
- 部ごとの参戦数格差
- ダウンロードコンテンツによる追加
部ごとの参戦数格差 やたらと優遇される4部
各部ごとにそれぞれ熱狂的なファンが付いているジョジョ。その部ごとの登場キャラクター数に圧倒的な格差が存在します。
やたらと4部が優遇され音石明などの脇役が参戦している一方、7部に至ってはジョニィ、ジャイロ、大統領の3人のみ。人気キャラであるリンゴォもウェカピポもディエゴも使用できません。取って付けたようなストーリーモードにならちょっとした出番があるキャラクターも居るには居るも明らかにおかしい参戦バランスです。
参戦数バランスにトドメを刺すダウンロードコンテンツ商法
そんなファン達を更なる訃報が襲います。それは追加キャラクターのダウンロード販売のお知らせ。これが発売日前に発表されたのだから驚き。値段は一体に付き600円とかなり高額。一応期間限定で半額の300円で販売されます。
そして極め付けは4部のラスボスであり、同時に絶大な人気を誇る吉良吉影さえもDLCというから驚き。(初回特典版には吉良のダウンロードコードが付属)
DLCキャラクターである5部のフーゴは本編ではなくスピンオフ作品である小説版の仕様というのも意味が分かりませんし、挙句DLCでバオーが配信決定。このゲームはジョジョASBであって、荒木ASBでは無い筈ですが。
原作を再現した演出は素晴らしい
各キャラクターの必殺技や演出、会話は原作に沿って作られています。あの名シーンの数々が動きあり、ボイスありで繰り広げられるのはやはり燃えます。
ストーリーモードの対戦では原作通りの動きをすることでボーナス要素がアンロックされたりなどの遊び心も。ステージごと用意されたギミックも原作通りなのは流石。
少ないステージ数
原作通りのギミックやステージは確かに素晴らしいものの問題はその数。極端に少ないステージ数なのです。1部のストーリーモードの舞台は全てディオの館、2部はあのカーズに止めを刺した火山ステージすら用意されていません。最低でも1キャラに対して1ステージは欲しかった。
と言ってもステージ独自のギミックは原作を再現していますし、現時点ではそこまでの不満はありません。もし今後、有料DLCによる追加があれば反発は大きいでしょう。
部の枠を超えたキャラ同士の会話
オールスター物の魅力と言えばコレ。原作では本来出会うことのなかった人物同士の会話です。例えばジョナサンと3部DIOの会話などの専用台詞が用意されています。
中でも面白いのが2部主人公であるジョセフ・ジョースター。彼のコマンド挑発技は原作でもお馴染みの「お前は次に~~と言う」というものです。これが全対戦キャラに対しての台詞が個別に用意されています。もちろん挑発を受けた相手もしっかりと「ハッ!?」まで返してくれるのは面白い仕様。
しかしこのジョセフ以外の専用会話の数は実は少な目。いかにも関係のありそうな二人を並べても専用会話が起こらない時の方が多いです。せっかくのお祭りゲーなのにあと一息が足りません。
ロード時間が無駄無駄無駄無駄無駄無駄
それではゲームデザインはどうでしょう。
まず気になるのは戦闘前のロード時間。この時間は約15秒~20秒ほどと、致命的なほどロード時間が長い。一見それほどでもない長さに思えますが、対戦がメインのコンテンツである以上このロード時間はいただけないレベル。かなりのストレスになります。
ロード時間だけでなく、試合が始まればFPSは30。元々のゲームスピードが遅めということもあり、終始モッサリした印象を受けます。更に技の威力が低いため相手の体力をなかなか減らすことが出来ず、技のエフェクトが派手な割に爽快感が全くありません。
無限コンボがある等、キャラクター間のバランスはお世辞にも良いとは言えませんが、こういった作品では仕方がないのかもしれません。
演出も薄く話もブツ切りで作業感が凄いストーリーモード
使用可能なキャラクターを増やしていくためにプレイ必須であるストーリーモード。これがロード時間も合わさってかなりの作業感。話は演出無しに紙芝居のように進み、登場キャラクター数の関係上かなり端折られています。そのくせ重大なネタバレはさらっと出してきますので、既読者、未読者どちらもまったく得をしないものに仕上がっています。
悪名高きキャンペーンモード
ランダムで出現する敵を倒して衣装やカスタマイズ要素をアンロックしていくモードなのですが、このモードを遊ぶためには所謂スタミナが必要です。そしてそのスタミナはリアルタイム20分に1ずつ回復し最大値はたったの10、もし連続して遊びたい場合には、課金して回復アイテムを買い回復しなければならないいう時代錯誤(ある意味時代に乗っ取った)で馬鹿馬鹿しいシステムを搭載しています。
基本無料のソーシャルゲーならまだしも定価7,000円で販売しておいてのこれは異常。発売日まで情報をひた隠しにしていたのも嫌らしい。
総評
正直定価で購入する必要は無いというぐらいの手抜き作品。ゲームバランスが、という声が上がりますが本作のダメな部分はバランスではなくもっと外側の部分にあるように感じられます。有料ダウンロードコンテンツの存在がゲームとしての評価を大きく下げたと言っても過言ではありません。
反面、演出や声優の演技には素晴らしい物がありますので、一見の価値はあり。購入せずとも動画サイトで見れば充分でしょう。すぐ値崩れが起こることが予想されますので、買い控えて安くなったころに手を出すのもベネ。多分かなりのスピードでワゴン入りでしょう。ジョジョだけに。
酷評したものの3部格ゲーを除いたジョジョゲーの数々とは比べ物にならないくらい面白いです。とはいえあのナルティメットを世に出しているサイバーコネクトツーが開発した割には…と強く思います。DLC商法の全てが悪いとは言いませんが、ゲーム内容に直接かかわってくる要素を切り売りするのは止めてほしい。
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