イナズマイレブンGO ギャラクシー レビュー・評価・感想
3DS専用ソフト、イナズマイレブンGO ギャラクシーのゲームレビュー。
目次
作品概要
イナズマイレブンGO ギャラクシーは、に発売されたサッカーRPGです。
小学生を中心に人気を集めているイナズマイレブンシリーズですが、大人が遊んでも十分楽しむことが出来る完成度。
- 収集要素
- 育成要素
が好きな方は間違いなく楽しめることでしょう。
逆に、
- 正統派サッカーゲーム
- オンラインを使ったレーティングバトル
などに重きを置く方には合わない可能性の方が高いです。
このゲームはサッカーゲームではなく、サッカーのガワを被ったRPGということを理解していれば、問題ありません。
とにかく豊富な選手数
なんと言っても登場選手数1000人以上は魅力的。過去シリーズに登場したメインキャラクター達も、ストーリーには関わらないものの、ほぼ全員を仲間にすることが可能です。
選手一人一人にプロフィールや、ステータス、必殺技が設定されている手の込みよう。ほとんどは過去作品からの続投キャラであるものの、こういった遺産はどんどん有効活用していくべきでしょう。
残念ながら枠数の関係上、全選手を所属させることは叶いませんが、それでも十分すぎる程の枠が用意されています。
全選手加入は無理な物の、一度でも加入させたことがある選手には記録が残るため、一つの収集要素としてやり込むことは可能です。
前作からあまり変わっていない部分ですが
- 前作から続く問題点
- スカウトシステム調整に伴う改善点と問題点
の二点が気になります。
前作からの問題点とは
前作共通の問題点として、
- モブ選手の表情
- 選手管理画面のUI
この二点の問題点が挙げられます。
基本的に色物が多いモブの中にも、メインキャラクター波に見た目が整っているキャラが存在します。特に全員女の子のチームを作りたい!!といった方は、これらのモブ選手の勧誘は必須です。
ただ残念なことにこれらの
選手数を考えると仕方が無いとはいえ、少々残念。
もう一点のUIの悪さですが、こちらは割と致命的。そもそも選手管理画面のインターーフェースが初代からほとんど変わっていないことが問題でしょう。選手枠が少なかった当時こそ特に問題はありませんでしたが、今となっては
- 検索のし辛さ
- ソートのし辛さ
がどうしても目についてしまいます。ポケモンの様にマーカーを付けることが出来るだけでも大分変ると思うのですが…
キズナコインの慢性的不足
本作から新たに生まれた問題点、それが慢性的なキズナコイン不足です。
前作まで使われていたスカウト専用通貨であるゆうじょうポイントは廃止されキズナコインと呼ばれる新たな通貨が登場しました。
サッカーバトルや試合のリザルト画面で数枚を入手することが可能です。
全部で五種類のコインが存在し、それぞれレア度が違います。スカウトする選手によって要求されるコインの種類や枚数が変わる訳なのですが、このコインの入手比率がとにかく酷い。
道中のサッカーバトルを全てこなしエンディングを達成した時点で、一番レアな金コイン諸字数はたったの3枚。主要キャラのスカウトにはこの金コインが5枚ほど必要になるため、とにかく足りません。
前作で問題となったスカウトに必要なアイテムのドロップ率は本作では大幅に上げられ楽になったものの、結局は前作以上に時間がかかるようになってしまいました。
せめて対戦√の報酬は金コイン確定にしてくれれば…
いつも通りの残念脚本
ストーリーは相も変わらず超展開。子ど向けである以上仕方が無いとはいえ、その割には序盤はドロドロした交友関係を見せられることになります。
とは言え最初グダグダだったチームが一つにまとまっていくのは、スポール物の王道展開。そもそも過去のイナズマイレブンで既に何度も起きた展開ではありますがそこには目を瞑ります。
舞台や設定が変わっただけで、基本的にはストーリー内容に目新しさはありません。色々な意味で安定はしているのですが…
とは言え今作では主要メンバーが一新され、天馬、剣城、神堂の3名以外は皆新キャラです。そう言った意味では新鮮な気持ちでプレイ出来ました。
原点回帰?化身禁止バトルで快適な試合
本作の序盤はサッカーバトルや対戦ルートでの試合を除いて、化身や化身バーストの発動をすることが出来ません。
お互いに化身無しでの対戦になるのですが、これが何故だか面白い。
これまではどうしても化身発動選手のワンマンゲームになってしまうことが多かった前作。化身発動した選手がボールを持ったままそのままゴールへ走っていくという光景が毎試合繰り広げられていました。
それが化身禁止になったおかげで、押しつ推されつのサッカーらしい動きにへと変化しました。
物語が進み化身が使用できるようになってからも、敵チームはまず化身を発動しません。使っていくのは今作からの新要素、ソウル。こちらも確かに強力ですが、コマンドバトルで打ち勝つことも可能かつ化身発動時でも抜かれることがあるというなかなかのバランスに仕上がっているように感じました。
特殊フィールドの追加でマンネリ打破
部隊が宇宙へと変わったことにより、新たに重力によるボールの動きの変化などが加わりました。
他にもフィールドによって特定の属性が強化されるなどの新要素もあり、見た目以外の違いが無かった従来から純粋に進歩・変化した部分です。
基本的にこのシリーズはレベルを挙げてのゴリ押しゲーなのですが、考えられる余地が増えたのは嬉しいポイントです。
惑星ラトニークではボールがやたら跳ね回ることで評判が悪いですが、個人的にはステータスでゴリ押すだけだったこれまでのストーリーと違いマンネリ感がなくなり楽しめました。
あの必殺技たちが復活
GOへ世代交代した際に消えてしまったいくつかの必殺技が復活を遂げました。染岡のドラゴンクラッシュを数年ぶりに見ることが出来るとは。
勿論新規必殺技も多数追加されているため、これまで以上にキャラクターのイメージに合わせた技を揃えやすくなりました。モブ選手愛好家にとってはかなり嬉しいポイントです。
必殺技に関しては他にも
- 消費TPの調整
- 技レベルの上がり易さの調整
- 究極進化の追加
と結構な調整が入っています。
消費TPの調整
技の威力によって消費するTPに大きな差が生まれました。特に威力が低めなワンダートラップやシーフアイといった技は7TPの消費で使用することが可能です。
強力な技とぶつかり合うと打ち消されることが多いものの、通常のコマンドバトルにおいては安定してボールをキープ・奪うことが出来ます。より試合に駆け引きが産まれるようになりました。
シュート技など、ここぞという時に使う必殺技は高威力の方が安定ではあるものの、低威力のドリブル・ブロック技は汎用性が大きく増しています。
技レベルの上がり易さの調整
使い込めば使い込むほど上昇する必殺技レベル。レベルに応じて威力が底上げされるため、対戦では最大強化必須となるのですが、本作ではレベル上昇まで必殺技使用数が大きく減らされています。
そのため作業感を感じることなく主要キャラの技レベルを最大まで引き上げることが出来ました。
序盤からペーティーに居て、なおかつサッカーバトルでの得点源である剣城等は、物語序盤、韓国代表イレブン戦の時点で技レベルが最大に達しました。
究極進化の追加
最大まで使い込むと打ち止めになってしまう技レベルですが、今作では特定のアイテムを使用することで更に強化出来るようになりました。
最大まで強化した必殺技はどれも実用に耐えうるレベルまで強力になるため、固有技がパッとしないキャラクターも活躍することが出来ます。
特に新キャラの多くはサッカー未経験という設定上、序盤に覚える技がどうにも低威力でパッとしません。もし長く使っていきたいのであれば、技の究極進化に意識を向けるだけで、十分な戦力へと変化します。
とは言え好きな時に簡単に究極進化できるかと言われるとそういう訳ではありませんので、ある程度の吟味は必須です。
これは英断、処理落ちがゼロに
ハードが3DSに変わり演出面が強化されたイナズマイレブンGOシリーズですが、化身や化身アームド時に処理落ちが起きるという問題点を抱えていました。
それを本作では、フィールドでのキャラクター達の頭身を下げるという方法を取り無事に解決しました。これは英断だったと言えるでしょう。
序盤は確かに違和感を覚えたものの、すぐに慣れることが出来ましたし、何より処理落ちが一切起きないのは素晴らしい。必殺技発動時は元の頭身に戻るため、従来通り演出を楽しむことが出来ます。
本作でもポケモン商法は続く
今作も安直なポケモン商法は続きます。今作ではビッグバンとスーパーノヴァというサブタイトルで2本同時発売されました。
それぞれの違いは今までと同じ、
- 出現モブ選手の違い
- 登場必殺技の違い
- メインストーリーに関するイベントの違い
- クリア後イベントの違い
等に加えて、新たに、
- 中盤加入する追加メンバーの違い
- 対戦ルートの違い
が加わりました。
この中でも追加メンバーの違いを前面に押し出していましたがこれが大きな罠。
この追加メンバーは、これまでのシリーズのメインキャラクターが勢ぞろい。シリーズファンならどちらも買って選手を集めてね、と言いたげなプロモーションでしたが、この追加メンバーたちはエンディング後ならスーパーノヴァ、ビッグバン関係なく全員スカウト可能です。
どの選手を獲るかで悩みぬき、一本を選んだ人にとっては朗報ですが、中には追加メンバー目当てで二本購入した人もいるはず。
そもそもオンラインでのトレード環境がある訳でも無いのに、ソフトを二種類購入しないとコンプリート出来ない要素があるというのがとにかく不満。
総評
良くも悪くもこれまでと変わらないため、シリーズファンは安心して購入することが出来る一本。細かい部分が整えられているため、シリーズで一番快適にプレイ出来ることは間違いありません。
そのため余計にスカウトシステム改悪が残念でなりません。安定して特定色のコインを集める方法があれば評価も変わるのですが。
収集癖のある方にはお勧めできる作品ではあるものの、シリーズ物と言う大きな壁が立ちはだかります。初代から遊ぶにしてもストーリーはお世辞にも面白いものとは言えませんのでご注意を。一応本作からプレイしても話に付いていけなくなることはありませんので、ご安心ください。