FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster レビュー・評価・感想
PS3,Vita専用ソフト、FINAL FANTASY X/X-2 HD Remasterのゲームレビュー・感想・評価です。
目次
作品概要
FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster(以後本文ではFF10,FF10-2と記述)は、に発売されたPS2版FF10のHDリマスターバージョンとなります。
FF10 HD本作の発売日がですので、実は10年以上も前の作品だったりします。
本作はゲーム内容はインターナショナル版がベースとなっています。よって無印しかプレイしたことがない方は一部の変化に戸惑うことがあるかもしれません。
あくまでもベースがインターナショナル版と言うだけで日本語音声でボイスが収録されているのはファンにとっては嬉しい仕様ではないでしょうか。
勿論インターナショナル版の特典である永遠のナギ節といった映像や、ラストミッションといったミニゲームまでもしっかりと収録されています。
価格も二本込みで7,000円と、スクウェアエニックスにしてはかなりの良心的価格。トロフィーもFF10,FF10-2と別々に搭載なのでやり込み好きも満足。
大部分はPS2時代のものと同等のため、本レビューではリマスターによって変化のあった部分も主に解説していきます。
流石の美麗グラフィック
まず驚くのが、10年以上前の作品だというのに驚くほどグラフィックが美麗であること。これが据え置き機のみだったPS2版FF10と違い、携帯機でプレイできるのだから時代の流れを感じます。
これまで何本もののVita専用ソフトをプレイしてきましたが、その中でも上位に入るほどのレベル。この点は流石スクウェアエニックスと言ったところ。
発売前に初めてスクリーンショットが貼られた時は表情が死んでいる等の悪評が目立ちましたが、いざプレイしてみると全く気になりませんでした。
ストレスを感じさせないロード時間で快適プレイ
プレイするにあたって個人的に一番気になるロード時間はほとんどなく、快適にプレイすることが出来ました。
マップ切り替えの際に多少のロードは入りますがそれでもたった1秒前後、メニューや戦闘といった頻繁に使うことになるものに関してはノンストレスで使用することが可能です。
ロード時間だけでなく、ドラクエで言うまんたんのように自動で回復を行うことが出来たりなど、ユーザビリティも大きく向上しています。
とは言えやはり10年前のゲーム、不便な点ももちろん存在します。
カメラ位置が固定されているのはやはり古い作品だなと感じてしまう大きな部分ですし、戦闘時の過度なエフェクトやモーションも美麗ではあるもののテンポを損ねる一因になってしまっているのが残念。
賛否両論?アレンジされたBGM
グラフィックがHDリマスターされた他にも、ゲームを彩る音楽もアレンジされたものが使用されています。心機一転プレイするには最適なのですが、通常戦闘時に流れるノーマルバトルなど、聞きなれているものに関してはかなりの違和感を感じました。
本作がFF10の初プレイ、という方は問題なくプレイできると思いますが、PS2時代のプレイヤーは慣れるまで時間がかかるかもしれません。
賛否両論評価が分かれてはいるものの、BGM自体は質の高いものが揃っているためご安心。
オプションなどで選ぶことが出来れば最適だったのですが…。
無印とインターナショナル版、選択可能なスフィア盤
FF10のステータスアップシステムとしてのお馴染みのスフィア盤ですが、ゲーム開始時に無印版とインターナショナル版のものから好きな方を選択することが可能になりました。ゲーム中では無印のものが通常、インターナショナル版の方が上級者向けと称されています。
どちらか一方しかプレイしたことが無い方のために説明しますと、
- 無印版
- キャラごとにルートが決まっており、キャラの特徴を活かしたステータスへと成長します。盤に穴が多く、ステータスの変化域の自由度は高いため、最終的なステータスはこちらのが上になります。
- インターナショナル版
- ステータス上げの自由度が高いのがこちら。キャラクターのステータスを好きなように伸ばすことが出来ますが、決まったルートが存在しないため育て方によってはお荷物になってしまう場合も。
ちなみに弱い弱い言われているキマリは無印版でも成長ルートの自由度が高いキャラクターです。実際ステータスを尖らせたものにすることでかなりの強キャラへと化けるのですが、育成に失敗した後はご存知の通り。
もし育成に失敗したくないのであれば、指示通り通常のスフィア盤を選択しましょう。
後日談を描いたボイスドラマも新規収録!但しその出来は…
10年ぶりにFF10、FF10-2から続くストーリーがボイスドラマとして新規収録されました。
シリーズファンなら是非とも聞くしかない!!であろう作品だったのですが…
一言で言うなら蛇足。
詳しくはネタバレとなるため説明は省きますが、これまでのストーリーはなんだったのか、ただの茶番でしかなかったのかと悪い印象しか感じませんでした。
これがFF10-3を出すための布石なのだとしたら今のスクウェアエニックスの開発スタッフには呆れざるを得ません。
総評
まさに10年以上の時を経ても色あせることのない名作と言っても過言ではないでしょう。思い出補正がかかっているとしてもやはり面白いなと心から思える作品です。
それもあって、ボイスドラマのストーリーはまさに蛇足の一言。思い入れのある人ほど聞かない方が良いでしょう。スクウェアの黄金時代の象徴とも言える作品に、落ち目である今のスクウェアエニックス自身で泥を塗った形になっています。
それでもゲーム部分は文句のない出来ですし、ボイスドラマさえ聞かなければ綺麗に終わっている作品です。追加要素盛り沢山のインターナショナル版を日本語音声で遊べるのは大きなメリット。未プレイの方はもちろんのこと、無印版のみしかプレイしたことがないプレイヤーにとってもオススメ出来る作品でした。